JCCNC NEWS
2025 July/August Edition
Consulate General of Japan
Sep / Oct
テック外交 ― 競争政策の視点
在サンフランシスコ日本国総領事館
経済班
堀松 知剛(公正取引委員会からの出向)
◆自己紹介◆
はじめまして。総領事館に公正取引委員会(公取委)から出向中の堀松と申します。今夏からの着任です。今回、寄稿の機会を頂きましたので、自己紹介と、公取委のデジタル市場に係る取組、また当地での私の業務について簡単に紹介させていただきます。
私は山形生まれの関東育ちで、2016年に公正取引委員会に入りました。人事院の制度を利用してオランダ、ベルギー、フランス及びイギリスに留学し、法と経済学や経営学の観点からデジタル市場規制を研究した2年間をはさみ、国際カルテルの調査やサステナビリティ関係のアドボカシーなどに従事しました。当地に赴任する前は、スマホソフトウェア競争促進法(スマホ法)の運用を担当しています。
◆公取委のデジタル市場に係る取組―スマホ法◆
公取委というとカルテル・談合摘発のイメージが強いかもしれませんが、近年、デジタル市場における取組が最重要課題の一つとなっており、公取委はそういった流れで新しくスマホ法を整備し、2025年12月から同法の運用を開始しました。
スマホの利用に当たって、競争がうまく機能せずユーザーの選択肢が制限されて利便性が損なわれないよう、スマホ法は、月間平均ユーザー数が4000万人以上のソフトウェアを提供する事業者(現状はAppleとGoogle)に対し、禁止行為と遵守義務を定めています。
ユーザー目線の話をしますと、特に、ブラウザでサイトを閲覧しているときに広告が多くて見づらいしスクロールしづらい。。といったイライラを抱えながらもずぅっと同じブラウザを使い続けている方、また、アプリで有料サービスを利用するに当たって、実はアプリ上で決済している方、こちら↓をぜひご覧ください!
https://www.jftc.go.jp/msca/sitterusumahohou.html
ここでは、スマホ法がユーザーにどんなメリットをもたらしているかが分かりやすく解説されています。競争を促進して消費者にメリットをもたらすという競争政策の目的が、身近なスマホでどんな形で表れるのかを実感いただけるとうれしいです。
◆当地での業務◆
私のここでの業務は、日本の独占禁止法やスマホ法の執行、そして競争政策について、テック業界との橋渡し役を務めることです。
テック企業が不合理に規制されていると感じないように、多くの主要なテック企業が本社を置く当地で、デジタル市場に対する公取委のアプローチが国際的な議論の中でどう位置づけられるかを説明したり、デジタル分野の競争上のあらゆる課題について、テック企業、執行当局、法曹実務家、研究者の方々と対話を重ねて公取委にフィードバックしています。
企業の率直な思いを伺ったり、競争政策以外の政策の観点を学んだり、そして目まぐるしく動く市場のスピードを目の当たりにして、エキサイティングな日々を過ごせています。
◆終わりに◆
最後にプライベートについて、イギリスに住んでいたときにアイラ島含みスコットランドで蒸留所巡りをして以来、蒸留所巡りが趣味です。バーボンはあまり経験してこなかったのですが、せっかくの米国駐在の機会なので、さっそくケンタッキー州で蒸留所巡りをしてきました。全然知らなかったバーボンの魅力にはまり、また行こうかなと。もちろん、カリフォルニア州に住んでいるからには、ワインの見聞も深めたいです!
今後どこかで皆様とお会いする機会があれば、おすすめの蒸留所や醸造所など、ぜひ教えてください。どうぞよろしくお願いいたします。

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